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悠久の時を刻むホールクロック・グランドファザークロック

ホールクロック・グランドファザークロック

空間を格式高く彩る大型置時計「ホールクロック」。
ヨーロッパを発祥とし非常に長い歴史を誇るホールクロックは、緻密に設計された複雑な構造、規則的に左右へ揺れる振り子が特徴的な機械式の大時計です。
時計としての機能性が確かなのは言うまでもなく、厳選された天然素材を用いて造り上げられた外装、優美な印象を与える装飾品は古くから人々を魅了して止みません。

そして、「♪大きなのっぽの古時計」と日本でもお馴染みの童謡にも登場する「グランドファザークロック」は、人の背丈より大きな大型置時計であり、存在感ある重厚な仕上がりは腕時計や壁掛け時計とは違った魅力があります。
今回はそんな悠久の時を刻む「ホールクロック」「グランドファザークロック」についてご紹介します。

 

ホールクロックは“家具”の域を超えた芸術品

成人男性の背丈以上の大きさを誇る「ホールクロック」は、古くから国内外の時計ブランドで手掛けられてきた大型置時計です。
ご自宅に置いたことがない方であっても、学校や商業施設、宿泊施設などでその姿を見かけたことがあるのではないでしょうか?
一般的な家庭でも普及している壁掛け時計とは一線を画すサイズ感もさることながら、インテリアとしても申し分ない格調高いホールクロックのデザイン性は、家具や雑貨の枠にとどまらない“芸術品”だと言えます。

ITテクノロジーの発展に伴い、現在では多くの方がスマートフォン・タブレットなどのマルチデバイスを使って時間を見ることが普通となりました。
確かに、ただ時刻を確かめたいだけであればデジタル機器の時計機能を使えば済む話です。
しかし、ゆったりと経過していく時間の流れを目と耳で楽しみたいのであれば、スマートフォン・タブレットよりもホールクロックのほうが趣があります。
時計内部にある錘(おもり)の落下エネルギーを利用して左右に揺れ動く振り子を眺めるだけでも、日常のせわしなさを忘れさせてくれますし、心地良いリズムで正確に時を刻む秒針の音、ホールクロックが奏でる音色は落ち着いた雰囲気を演出してくれるでしょう。

 

グランドファザークロック(お爺さんの時計)とは

ホールクロックはまたの名を「グランドファザークロック」と呼びます。
グランドファザークロックのほとんどが全長2m前後の大きさであり、その荘厳な外観は見る人の記憶に強く残るはずです。

|グランドファザークロックの由来

多くの方が耳にしたことのあるアメリカ発の童謡「大きな古時計」。
歌詞に登場する“お爺さん”が子どもだった時代から成長を見守り、お爺さんが天国へ旅立った後に動きを止めたホールクロックが印象的であり、「グランドファザークロック」という名はこの歌が由来しております。

|グランドファザークロックの魅力

グランドファザークロックの内部に組み込まれている錘は数kg単位の重さであり、長い振り子が左右に揺れて時を刻みます。
振り子を揺らすための鋼板も細く取り扱いは非常にデリケートです。
グランドファザークロックは大型置時計でありながら、雑貨店で簡単に手に入るデジタル時計とは比べ物にならないほどの繊細な造りなので、長期にわたって使用するなら定期的な整備・調整が必要になるでしょう。
こうして話すと、置き場所の確保や丁寧さを求められるメンテナンスでグランドファザークロックの必要性に疑問の感情を抱いてしまうかもしれません。
ですが、グランドファザークロックの最大の魅力は“鐘”にあります。
重々しくも荘厳さを感じさせる鐘の音はまさに“芸術品”です。
複雑に造り込まれた機械式内部構造の巧妙さ、そしてグランドファザークロックの美しい意匠は、電池を必要とするクオーツ式時計では到底味わえない感動を呼び起こしてくれることでしょう。

 

ホールクロックの仕組み

ホールクロックには動力源の異なる2種類が存在します。それは「ゼンマイ式」と「重錘式」です。

まずゼンマイ式ホールクロックの仕組みですが、巻上げたゼンマイが等速で戻ろうとする力を動力源とし、ムーブメントを稼働させます。続いて重錘式ホールクロックの仕組みは、重錘を吊り上げるためのチェーンかワイヤーを引き上げ、等速自重落下する力を動力源にムーブメントを動かすのです。

定期的にゼンマイの巻上げ、チェーンやワイヤーの吊り上げを行う必要はありますが、そこも魅力の1つと言えるでしょう。

もう1つ、忘れてはいけないのが時刻を知らせるチャイム音。響きの異なる「パイプ式」と「棒リン式」の2つがあり、電子音では再現できない音色に癒されます。

 

ドイツ製ホールクロック・グランドファザークロック「ウルゴス」

1920年に南ドイツのシュワルツ・ワルト地方(ブラック・フォレスト「黒い森」)にあるシュベニンゲンで誕生した「ウルゴス」は、豊穣な森林から得られる樫材やくるみ材など良質な木材を使用し、芸術的なホールクロック・グランドファザークロックを製造してきました。
脈々と受け継がれてきたドイツの伝統技術を、ホールクロック・グランドファザークロックに余すことなく活かしており、重厚かつ洗練された時計ケースや複雑に造り込まれたメカニズムは、デジタル化が進んだ現在でも多くの方を惹きつけております。
ウルゴスのホールクロック・グランドファザークロックは、デジタル時計のように最新設備で一度に大量製造を行うのではなく、熟練した職人が昔ながらのスタイルで1台ずつ丁寧かつ慎重にホールクロック・グランドファザークロックを仕上げているのが特徴です。

|ウルゴスが持つ機能

ホールクロック ウルゴス

ウルゴスが奏でるメロディーは、「ウエストミンスター」「ウィッティングトーン」「セントミカエル」の3つから成り、一般に販売されるクオーツ式時計では味わえない温かみのある音色を堪能いただけます。
時報も「棒リン式」と「パイプ式」と、それぞれ響き方の特徴が異なる2種類のタイプを備えており、リンやパイプを叩いて生まれる澄んだ音色で時の訪れを感じ取ることができるでしょう。

重錘式時計であるウルゴスは、カレンダー・月齢装置だけでなく、就寝の妨げにならないための「ナイトサイレンサー機能」を搭載しています。
モデルによって時間設定が異なりますが、時計のレバーを操作することで、夜間での時報やチャイムを止めることが可能です。
そして、ホールクロック・グランドファザークロックは非常に繊細な構造で成り立っていることで知られていますが、ウルゴスにはどれもアンカーオートマティック機構(自動片振り調整装置)を備えているのがポイントです。
地震の揺れや移動時のショックなどで、振り子が均等を保てなくなってしまっても、調整することが可能です。

>>「ウルゴス」のご紹介はこちらから

 

ホールクロックの専門店展示場「ムラキ クロックショールーム」のご案内

ホールクロックは取り扱う店舗が少ないため、なかなか実物を体感する機会がありません。そのような時は、ホールクロックや様々な時計を体感できるクロックの専門展示場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

ホールクロックには写真や動画だけでは伝わらない魅力がたくさん詰まっています。触れることで感じる木の温もり、見ることで伝わる繊細な装飾美やチャイム音はもちろんですが、何と言っても圧倒的な存在感は目の前にして初めて知ることができるでしょう。

ムラキクロックギャラリーでは、ホールクロックや取扱いブランドのクロックを実際にご覧になっていただけるよう専門展示場を設けています。是非ご自身の五感でホールクロックの魅力を体感してみてください。

>>ムラキクロックショールームのご案内はこちら

 

まとめ

ホールクロック・グランドファザークロックの最大の魅力は芸術品とも言える“鐘”にあります。
ホールクロック・グランドファザークロックは、大きい外観から堅牢な造りをイメージされるかもしれませんが、その実、内部の機械式構造は精密かつデリケートな造りとなっています。
大切な家財として愛着を持って定期的なメンテナンスを行えば、この先数十年にも及ぶ長い年月でも使用することができます。
ホールクロック・グランドファザークロックは時を知るためだけのものではなく、置かれている家や施設の歴史と品格を物語り、それを今後も受け継いでいくという信頼の証にもなります。
ぜひムラキクロックショールームにも足をお運びください。